ミノムシは人里離れた所にはいなくて、手入れの行き届いた公園などによくいるんだそうです。
細~い糸1本で、強い風に吹かれても切れることなく揺れているのですがあの糸を利用しようと考えている人がいたんですよ。
愛知県名古屋市にある医療品メーカーの興和と、茨城県つくば市にある農研機構が、ミノムシの糸を工業製品などに使える技術を開発したそうです。
自然界最強と言われるクモの糸をしのぐ強度を持つ
自然界の繊維では、クモの糸が最強と言われ世界中で研究されています。しかし、今回技術開発されたミノムシの糸はそれを上回る強度を持っているそうです。このミノムシの糸は、タンパク質から構成されているシルク繊維です。石油由来の化学繊維と違い、脱石油社会に貢献できる優れた繊維となることが期待できます。
興和と農研機構では、1匹のみのむしから、長いもので数百メートルにも上るまっすぐな糸を吐き出すことを助ける技術を確立したということで、現在のシルク繊維に代わる素材として実用化を目指しています。
熱にも強くてタフな糸
ミノムシの糸は、強くてタフネスといった構造材料としての理想的であることだけではなく、熱にも非常に高い安定性を示し。340度の熱にも耐えることができたということです。ミノムシの糸はクモの糸に比べて、約2.2倍の丈夫さ、約1.8倍の強度を持ち、ナイロン糸の5分の1の細さなど、さまざまな利点があるそうです。
シルク繊維と言えば、衣服に使われていことは想像がつきますが、そのほかにも医療の道具として再生医療の素材として研究されています。
また、強度を生かせば自動車などのボディの強化にも使えそうです。
そして何よりも感心したのは、蚕からとるシルクは繭を茹でて蚕を殺してしまいますが、糸をとった後のミノムシを殺さずに次の世代に命がつながる採糸方法も確立したことです。
ミノムシの蓑で財布を作ることくらいしか思いつかなかった私、参りました。